第34回の勉強会が下記の通り名古屋にて行われました。64名もの参加者があり熱気のあるワークでした。
*日時:平成18年4月23日(日) 10:00〜16:00
*場所:愛知県産業貿易館
*テーマ:誰にでもSOAPが書けるようになるための練習 〜SOAP遊びをやってみよう〜
プログラム
- 開会の挨拶 10:00〜10:10
- SOAPって何だろう(講義) 10:10〜12:00
《 昼食 (12:00〜13:00) 》
- ワーク:SOAP遊び 個人ワーク 13:00〜13:20
- ワーク:SOAP遊び グループワーク 13:20〜14:00
- グループ発表/講師コメント 14:00〜16:00
《活動報告詳細》
午前中、開会の挨拶の後、講師の服薬ケア研究会 会頭 岡村祐聡氏より 「SOAPって何だろう」 と題して講義がありました。
「SOAPって何だろう」 (要約) 服薬ケア研究所 所長 岡村祐聡
POS(Problem Oriented system)とは、通常日本語では「問題志向システム」と訳されます。患者の持っている医療上の問題に焦点を合わせ、その問題を持つ患者の最高の扱い方(best patient care)を目指して努力する一連の作業システムです。つまりPOSとは問題点を抽出しそれを解決していくための「考え方、方法論」です。
一方、SOAPとは、患者さんと話しながらプロブレムを探していくための「考え方、分析方法」です。薬歴を書くときの「記録の書き方」ではありません。 SOAPには色々な解釈がありますが、私は S 主訴
O 所見(薬剤師の目から見た患者さんの様子や薬識)
A SやOから考えられること。P(実施したケア)をやろうと思った理由や根拠
P 実際に行ったケア、指導した内容。(今後行う予定のいわゆる計画ではない)
と考えています。
POSを実施するためには、SOAP分析が必要となります。SOAP分析は得られた情報をクラスタリングし、SOAPがバランスよく収まるように考えることにより、プロブレムを明確化し、それによって解決方法を探るものです。
SOAP分析を行うことで 「どのように考えて」=A 「何をしたのか」=P (その元になるデータがSとOです。) が明らかになり、その指導内容が的確かどうかを考える事ができ、かつそれを記録できるのです。 またプロブレムの広さや情報の過不足などもSOAPで考えることにより明らかになります。 タイトルをつけて何がテーマなのかも明確になります。
SOAP分析を正確に行うためには練習が必要です。この練習にはSOAP遊びが最適です。今日のワークでSOAP遊びを身に付けてください。そして是非SOAP遊びを200個作って見てください。200個やり終えた後にはきっとSOAP分析がすらすらできるようになっているでしょう。
講義の詳細は会員のページでご覧いただけます。
午後からは グループワーク です。
まず個人個人で何個かのSOAP遊びを作りました。
その後A〜Jの10グループに別れてのワークです。
グループ内で自己紹介を行った後、各自作成したSOAPの中から何個かの題材についてグループディスカッションを行いました。
ワークのすすめ方詳細
最後にディスカッションの内容について、グループ代表が発表を行い、講師よりコメントをいただきました。
【各グループ別発表及び講師コメント】・・・要約
[グループ発表その1]
≪1題目≫
(ディスカッション前)
# 愛着のある靴
S)はいている靴のかかとが外れた。
O)1年近くはいている靴
A)愛着があり、捨てられない。
P)修理にもっていこう。
これを、O)を変えてみると
(ディスカッション後)
#不良品の靴
S)はいている靴のかかとが外れた。
O)買ったばかり、今日おろした靴
A)初めから壊れていたのだろうか
P)買った店に文句を言いにいこう。
まるっきり反対のP)になりました。
≪2題目≫
(ディスカッション前)
#すっきりとした夕食
S)今日の夕食は何にしよう
O)昨日は、焼肉、おとといは牛鍋
A)今日は、すっきりしたものが食べたい
P)夕食は、湯豆腐にしよう。
同じく、O)を変えてみると
(ディスカッション後)
#豪華な夕食
S)今日の夕食は何にしよう
O)一人暮らしで、毎日納豆ご飯が続いている
A)たまには、豪華な食事が食べたい
P)実家に帰ろう
以上二題のようにと、Oを変えると違うAやPになるという事を話し合い、SOAPの感覚がつかめました。
最初の段階では、S)とA)が、同じような事柄だったり、逆だったりしましたが、上の二題を話し合ううちに、すっきりしてきました。
別の方法として、P)を「ホテルのレストランで豪華な食事をしよう」「ステーキを食べに行こう」等に変えてもうまくいくようです。
感想としては、おおよそのSOAP感覚をつかめたワークだったと思います。
今後は、業務に関連した事柄でのSOAP遊びの訓練が必要と思います。
[グループ発表 その2]
≪1題目≫
(ディスカッション前)
#SOAP遊びのネタが浮かばないのはツライ
S)「SOAP遊び」のネタが浮かばない
O)残り時間も少なくなってきた
A)このまま「無し」でいるのはつらい
P)このやりとりをネタにすることにした
ここでO情報を変えるとAやPがどのように変わるのかを考えてみました。
(ディスカッション後)
#頭の切り替えが必要だ
S)「SOAP遊び」のネタが浮かばない
O)頭が固くなってきている
A)頭の切り替えが必要だ
P)休憩をとろう
講師からのコメントは会員のページをご覧下さい
≪2題目≫
(ディスカッション前)
#きゅうりの種まき
S)4月になって暖かくなった
O)きゅうりの種が去年からある
A)そろそろ種まきの季節だ
P)今度の休みに種をまこう
まず、SとOを入れ替えた方が、スッキリするのではないかということになり、
入れ替えてみました。
(ディスカッション後 その1)
#きゅうりの種まき
S)きゅうりの種が去年からある
O)4月になって暖かくなった
A)そろそろ種まきの季節だ
P)今度の休みに種をまこう
また、AをSにして、Oに追加の情報を入れてみたら、どのように変わるか
考えてみました。
(ディスカッション後 その2)
#種まきができない
S)そろそろ種まきの季節だ
O)きゅうりの種が去年からあるけど傷んでいる
A)このままでは種まきができない
P)種を買いに行こう
講師からのコメントは会員のページをご覧下さい。
このように、活発な議論はまだまだ続き、全部で10のグループが発表を行いました。
服薬ケア研究会では、このような非常に充実した勉強会を、全国各地で開催しております。
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(2006.11.10掲載)
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